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介護保険法:衆院審議が大詰め 予防事業に批判集中(平成17年4月22日毎日新聞)
改正案の衆院審議で、改正の柱である「新予防給付」などの介護予防事業に野党の批判が集中している。予防事業は身体機能の低下を防ぐため高齢者に筋力向上トレーニングなどに取り組んでもらう
一方、家事援助などの従来サービスを制限するものだが、政府側の答弁は「論文によると効果がある」(尾辻秀久厚生労働相)などとあいまいで、介護予防の効果に見極めがつかないためだ。野党は「財源対策だ」と追及している。
尾辻厚労相「モデル事業は、予防効果を否定する結果ではない」 民主党・小林千代美氏「費用対効果から考えて正しい政策なのか」 20日の衆院厚労委では、48市町村による介護予防モデル事業の中間報告が議論された。 だが、厚労省はモデル事業の集計をずっと渋ってきた。同法案の審議入りは1日。地方公聴会などを含め20日までに計7回の実質審議が行われたが、介護予防事業に関するデータを伴う具体的な説明はなく、野党の批判を浴び衆院審議が終盤にさしかかった19日になってようやく公表した。
報告によると、週2回、3カ月間筋トレに取り組んだ後、要介護度の1次判定を受けた98人中、要介護度が改善したのは43.9%。悪化16.3%、維持39.8%で、厚労省は「改善効果がある」と分析している。ただ、筋トレに参加した計449人中、途中でやめた64人(14%)は集計には含まれていないなどの問題もある。
厚労省は従来サービスを制限する根拠に、鹿児島県の調査を挙げる。利用回数1〜4回で要介護度が悪化した人は9.9%だが、回数が増えるにつれ悪化率も上がり、29回以上は25.9%。「ヘルパーの利用回数が多いほど要介護度が悪化する」と結論付けている。
ただこれも、1〜4回の人で改善したのは6.8%、9〜12回は11.1%と逆のデータもある。民主党の水島広子氏は「給付削減ありきで恣意(しい)的に並べた数字だ」と切り捨てる。
介護予防は「重度化防止に一定の効果がある」(池田省三・龍谷大教授)とされる。だが、(1)参加者の理解と意欲(2)専門家による指導(3)継続性−−があってのことだ。モデル事業参加市町村のうち、17市町は「指導員の確保が困難」など、指導、運営にあたる人材面での懸念を訴えている。
事業の実施主体は市町村が全国5000カ所に作る地域包括支援センターで、保健師らが個別のプランを作る。それでもメニューの詳細、保健師や指導者の確保策、利用者の移送手段などの具体策は法案成立後に決めるというのが実情だ。
こうした疑問、不安を残したまま、同法案は早ければ27日にも与党の賛成多数で衆院厚労委員会で可決される見通しになっている。 |