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国民年金法・厚生年金保険法〜その1〜

さて、社労士試験の最大の難関といっても過言ではない年金科目ですが、ここでは国民年金法、厚生年金保険法をまとめて、「年金科目」として、その適切な学習方法をお話していきたいと思います。と、いいますのも関連事項がとっても多いんです。そのあたりを意識しながら学習を進めていくと、とっても効率的なものになると思います。

そうそう、基本書ではときおり「○○共済年金」なんていう給付も登場しますが、この共済年金は社労士試験の範囲には含まれませんので細かい規定はおさえる必要はありません。あくまで基本書にあるとおり、その名称等をおさえておけば十分です。

と、いうわけで本題に移りたいのですが、いきなり基本書を開いて、「第1条:目的、国民年金制度は、うんぬん、かんぬん…」なんて読んでみてもピンときませんよね。でも多くの受験生はこういった学習の仕方をしているのです。

よくわからないものを端から読んだって、最終的に理解できるはずはないのです。ではどうするか?まずは「敵(年金)を知る」ことから始めてみましょう。「なぜ年金は難しいのか?」を知ることができれば、その箇所に重点をおいた学習をすることができます。「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」なんてことわざもあるくらいですしね

まず気を付けて頂きたいのがその名称。
「国民年金法」であって、「国民年金保険法」ではありません。
一方、「厚生年金保険法」であって、「厚生年金法」ではないんです。

この違い、わかりますよね?実は、国民年金には「保険料をまったく支払わずとももらえてしまう給付がある」ことなど、厳密には「社会保険の大原則(労災保険のページを参照してね)」に当てはまらない部分があるんです。
したがって、「保険」を名称に含めていないと考えると、その名称を間違えることはないでしょう。
ただし、原則的には社会保険であることには違いありませんので念のため。

さて、いよいよ本題に入りましょう。さぁ、年金をマスターするぞ(^o^)丿。
なお、以下、国民年金法を「国年」、厚生年金保険法を「厚年」として解説を進めていきたいと思います。

@ まずは出題形式を把握しましょう

選択式試験は、国年5問、厚年5問の計10問、択一式試験はそれぞれ10問の計20問です。
選択式が40点満点、択一式が70点満点であることを考慮すると、その比率はとても高く、この2科目を苦手科目にしてしまうと、合格は夢のまた夢。でも得意科目にできれば?そう、合格したも同然なんです!

A 年金はなぜ難しいか?その理由は…

「年金」は「社会保険」ですから、当然に「保険事故」というものが規定されています。
「老齢・障害・死亡」この3つです(歳をとるのも保険事故なんてちょっと意外ですよね)。
このうち、特に試験対策上難解であるのは「老齢」なんです。
その根拠は「経過措置」にあるんです。

このあたりに関しては受験生の年金対策バイブルと化している「年金がアッという間にわかる本」(「わかる社労士」の著者・監修者である真島伸一郎氏著(氏のサイトはこちら))をご一読頂くのがお薦め。私も受験生時代、年金がま〜ったくわからず、まずは全体像を掴まなくては、と利用しました。その後の勉強が大変楽になりましたよ。

え?気になって眠れない?では簡単にお話しましょう。

いわゆる老齢年金って、「若いうちから保険料を支払い続けて年をとって(原則65歳)働けなくなったらもらうもの」なんです。
ですからとっても気の長い話なんですが、その途中、財政状況が厳しくなって当初約束していた額が払えなくなった、なんてことがこれまでたびたびあったんです。

ではどうしたのか?政府は伝家の宝刀「改正(実は改悪)」を行って、以前約束していた額を切り下げてしまったんですね。

でも、ちょっとまってください。
たまたま改正のあった日の翌日に65歳になるAさんに対していきなり「約束の100万円は払えないから今日から70万円に改正したよ。我慢してね」なんていったら、このAさんがいくら温厚な人でも怒りますよね。というより生活が成り立たない。

そこで、改正で「老齢年金70万」と決めても、翌日65歳になるAさんには以前の約束どおり100万円、その2年後に65歳になるBさんには90万円、そのまた2年後に65歳になるCさんには80万円…といったように猶予期間を設けて、「徐々に改正後の額に近づける措置」を講じるんです。

これが「経過措置」なんです。近年の年金財政の逼迫状況はマスコミでも取り上げられているところですが、実は今に始まったことではなく、これまでもたびたび改正(改悪)に伴う「経過措置」が講じられてきているんです。

この積み重ねこそが老齢年金、ひいては「年金科目」を難解なものにしている現況といえます。
でも、いいかえれば、この「経過措置」を理解してしまえば年金なんて難しくないってことなんです。「年金科目を得意科目にするための絶対条件は経過措置にあり!」ってことですね。
 

B  厚年の前に、まず、国年の徹底理解!

「国民年金っていまいちピンとこないな…よし、目先をかえて厚生年金保険にチャレンジしよう!」といった学習方法はご法度です。これはチャレンジというより単なる無謀です。次の図をご覧下さい。

老齢厚生年金
(厚生年金保険)
老齢基礎年金
(国民年金)

この図は、厚年に加入している人(会社員等)は、「老齢」という1つの保険事故について、国年から老齢基礎年金が、厚年から老齢厚生年金がそれぞれ支給されることを示しています(これを一般に「2階建て年金」といいます)。

※)勘違いされている方も多いのですが、会社員は厚年に加入する(=厚年の被保険者である)と同時に国年にも加入している(=国年の被保険者でもある)のです。ちなみに会社員等は、国年においては「第2号被保険者」といいます。詳しくは基本書を参照してくださいね。

そこでポイントとなるのが「支給要件」
年金が社会保険である以上、「〜という要件を満たしたときに支給する」という支給要件が明確に規定されているんですが、実は、「厚年の支給要件は国年の支給要件で判断」されるんです。
「え?ほかの法律の支給要件で判断するの?」と不思議に思われるかもしれませんが、
そもそも「2階建て年金」であることを前提に考えた場合、全国民共通の基礎年金(国年)の支給要件を満たした場合に、厚年に加入している人には合わせて厚年の給付を支給するとしたほうが、シンプルなんですね。

つまりは、「国年が理解できていないのに、厚年を理解することなど到底無理」ということなんです。ということで、まずは国年を徹底的にマスターする。つぎに厚年に移る。さらに、厚年に移ってからも、「今ひとつピンとこない」のであれば、同じ保険事故に関する国年を復習する。これこそが年金科目の王道ともいえる学習方法です。

ただ、これには1つだけ例外があります。
国年の「振替加算」を学習するには、本当に概略だけで構いませんので厚年の老齢厚生年金の加給年金額の仕組みを知っておくと理解しやすいのです。ここでは厚年を学習⇒国年を学習という図式が成り立ちます

C 年金は1日にして成らず

年金は社労士試験最大の難関です。ちょっと学習したくらいでは到底理解することなどできません(そもそもそんな程度のものであれば、誰も苦労しません)。
このことをしっかりと肝にめいじておかねばなりません。
とにかく、途中で投げ出すことだけはやめましょう。日々一歩ずつ進むしかないんです。
ときには勘違いして一歩下がることもあるでしょう。でも、合格するにはとにかく進むしかないんです。
すると不思議なことに、「ある日突然霧が晴れた」ようにいろんな規定がつながって、面白いように理解できるようになるのです。これは多くの合格者の方々が実際に経験していることですから間違いありません。年金科目に焦りは禁物。本試験を見据えて学習していきましょう。

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「ただただ難しい」と考えていた年金科目。たったこれだけのことを知っただけでも、なんとなくやれそうな気持ちになってきますよね!これが重要なんです。
最初からできない、なんて考えていたらなにごとも成就できません。
「絶対に年金を得意科目にするんだ!」という前向きな気持ちで頑張っていきましょう。
それでは「年金科目その2、適切な学習方法」において、具体的な学習方法について触れていきたいと思います。

 


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最終更新日:17/01/16

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